【保存版】ファクタリング契約の流れを徹底解説!必要書類から入金まで最短1日の流れ

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「急な大口受注で仕入れ資金が足りない…」
「取引先からの入金が遅れて、キャッシュフローが回らない…」
「銀行融資を待っている時間はないし、手続きが複雑そうだ…」

事業を経営していると、このような緊急の資金ニーズに直面する場面は、決して珍しくありません。

こんにちは。
中小企業専門ファイナンシャルライターの白石美咲です。
私は以前、ファクタリング会社の審査部門でマネージャーとして、数千件以上の審査と契約に携わってきました。

現場で多くの経営者様とお話しする中で痛感したのは、「ファクタリングの正しい情報が、本当に必要としている人に届いていない」という現実です。
手続きが複雑そう、なんだか怖い、といったイメージから、貴重な選択肢を逃しているケースを何度も目の当たりにしてきました。

この記事は、過去の私が見てきた経営者の皆様の「不安」や「疑問」に、元審査担当という内部の視点から一つひとつお答えするために執筆します。

この記事を読み終える頃には、あなたはファクタリング契約の全体像を完璧に理解し、最短で、そして最も安全に資金調達を成功させるための具体的なステップを明確に描けるようになっているはずです。

また、ファクタリングはあくまで資金調達の一手段です。
日頃から経営に関する幅広い知識を身につけておくことも大切です。
例えば、経営者向けの専門メディアであるファクタリングマガジンで資金調達の最新情報をチェックするといった習慣が、いざという時にあなたの会社を救うことにも繋がるでしょう。

さあ、一緒に資金繰りの悩みから解放されるための一歩を踏み出しましょう。

ファクタリング契約の全体像|申し込みから入金まで最短1日の流れ

ファクタリング契約 5ステップ・ロードマップ

まず、ファクタリングの申し込みから入金までの流れを、大きく5つのステップで見ていきましょう。
全体像を掴むことで、今自分がどの段階にいるのかを把握でき、落ち着いて手続きを進められます。

5つの基本ステップ

  1. 【ステップ1】問い合わせ・申し込み: 利用したいファクタリング会社を選び、ウェブサイトや電話で相談・申し込みをします。
  2. 【ステップ2】必要書類の準備: ファクタリング会社から指示された書類を準備し、提出します。
  3. 【ステップ3】審査: 提出された書類を基に、ファクタリング会社が審査を行います。
  4. 【ステップ4】契約: 審査に通ると、契約条件が提示され、双方合意の上で契約を締結します。
  5. 【ステップ5】入金: 契約完了後、手数料が差し引かれた売掛金の代金が、あなたの口座に振り込まれます。

この5つのステップは、どのファクタリング会社でも基本的には同じです。
特に最近増えているオンライン完結型のファクタリングでは、これらの手続きがすべてWeb上で完結するため、非常にスピーディーに進みます。

【図解】オンライン完結型 vs 対面契約型の流れの違い

ステップオンライン完結型対面契約型
申し込みWebフォームから24時間いつでも可能電話やWebでアポイント後、訪問・来店
書類提出データ(PDFや写真)をアップロード書類の原本やコピーを持参または郵送
面談・審査電話やWeb会議システムで実施担当者と直接面談
契約電子契約サービスで締結契約書に直接署名・捺印
入金スピード最短即日〜数日〜1週間程度

オンライン完結型は、移動時間や郵送のタイムラグがないため、圧倒的にスピーディーです。
一方、対面型は担当者と直接顔を合わせて相談できるため、高額な取引や、初めてで不安な方にとっては安心感があるかもしれません。
自社の状況や緊急度に合わせて、最適な方法を選びましょう。

【ステップ1】問い合わせ・申し込み|ファクタリング会社選びの重要ポイント

資金調達の成功は、ファクタリング会社選びから始まっています。
手数料の安さだけで選んでしまうと、後々思わぬトラブルに繋がることも少なくありません。

まず、自社が「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」のどちらを利用したいかを考えましょう。

  • 2社間ファクタリング: あなたとファクタリング会社の2社間で契約します。売掛先に知られずに資金調達できるのが最大のメリットです。
  • 3社間ファクタリング: あなた、ファクタリング会社、そして売掛先の3社間で契約します。売掛先の承諾が必要ですが、手数料が安くなる傾向があります。

多くの経営者様は、取引関係への影響を考慮し、2社間ファクタリングを選ばれることが多いです。
その上で、複数の会社を比較検討し、手数料体系が明瞭で、信頼できる会社を見極めることが重要です。

申し込みフォームでは、主に会社情報、代表者情報、希望調達額、そして売却したい売掛債権(請求書)の情報などを入力します。

元審査担当の視点:この段階で伝えておくとスムーズなこと
申し込みの際、「なぜ資金が必要なのか(資金使途)」と「いつまでに必要なのか」を具体的に伝えてみてください。例えば、「2週間後に迫った大型案件の仕入れ費用として、〇〇万円が来週金曜日までに必要です」といった形です。我々審査担当は、お客様の背景を理解することで、より柔軟で迅速な審査対応を検討しやすくなるのです。誠実なコミュニケーションが、信頼関係の第一歩となります。

【ステップ2】必要書類の準備|審査をスムーズに進めるための完全ガイド

申し込みが終わると、次は必要書類の提出です。
このステップをいかにスムーズに進められるかが、最短入金の鍵を握ります。

法人・個人事業主別の必須書類リスト

一般的に必要とされる書類は以下の通りです。
ファクタリング会社によって多少異なりますので、必ず事前に確認しましょう。

書類の種類法人個人事業主備考
共通で必要な書類
代表者の本人確認書類運転免許証、パスポートなど
売掛債権を証明する書類請求書、発注書、契約書など
入出金が確認できる通帳のコピー直近3〜6ヶ月分程度
事業の実態を示す書類
商業登記簿謄本発行3ヶ月以内
印鑑証明書
決算書または確定申告書直近1〜2期分
開業届

なぜこれらの書類が必要なの?書類の役割を解説

なぜこんなにたくさんの書類が必要なのか、疑問に思いますよね。
それぞれの書類には、審査をする上で重要な役割があるのです。

  • 本人確認書類: なりすまし等の不正利用を防ぎ、取引の安全性を確保するために必須です。
  • 売掛債権を証明する書類: 「本当にその売掛金が存在するのか」を確認する、審査の根幹となる最も重要な書類です。
  • 事業の実態を示す書類: 申込者がきちんと事業を営んでいるかを確認します。
  • 通帳のコピー: 売掛先と継続的な取引があるか、入金は遅延なく行われているかなどを確認し、売掛債権の信頼性を裏付けます。

これらの書類は、あなたの事業と売掛債権の「信用」を証明するための大切なツールなのです。

元審査担当の視点:提出前にココだけは確認して!書類のチェックポイント
私たちが審査で特に注目していたのは、「書類全体の整合性」です。例えば、請求書に記載された会社名と、通帳の振込名義人が完全に一致しているか。請求日と入金日に不自然なズレはないか。些細なことのようですが、こうした点に矛盾があると、「この取引は本当に存在するのだろうか?」と疑念を抱くきっかけになります。提出前に、もう一度全体を見直すだけで、審査のスピードは格段に上がりますよ。

【ステップ3】審査|元担当者が明かす「審査で見られるポイント」

書類を提出したら、いよいよ審査です。
「赤字決算だから無理だろうか…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
ファクタリングの審査は、銀行融失のそれとは全く異なります。

ファクタリング会社の審査は何を見ているのか?

銀行融失は「申込者の返済能力」を審査しますが、ファクタリングは「売掛先(取引先)の支払い能力」を最も重視します。
極端に言えば、あなたの会社が赤字決算であっても、税金を滞納していたとしても、売掛先が優良企業であれば、審査に通る可能性は十分にあります。

売掛先の信用力が9割!審査の最重要項目

私たちは審査の際、信用調査会社のデータなどを用いて、売掛先の経営状況や支払い能力を徹底的に調査します。
具体的には、以下のような企業は信用力が高いと判断されやすいです。

  • 上場企業やその子会社
  • 官公庁や地方公共団体
  • 設立から年数が経っており、業績が安定している企業

逆に、設立間もない企業や、業績が不安定な企業との取引は、審査が厳しくなる傾向にあります。

元審査担当の視点:審査結果を左右する意外な要因とは?
意外かもしれませんが、「あなたと売掛先の取引期間の長さ」も重要な判断材料です。例えば、創業間もない企業との取引でも、あなたがその企業と5年以上、毎月安定した取引を続けている実績が通帳で確認できれば、「この2社の関係性は非常に良好で、支払いが滞るリスクは低いだろう」と判断できます。売掛先の信用力に不安がある場合でも、長年の取引実績がそれをカバーすることもあるのです。

【ステップ4】契約|契約書で必ず確認すべき5つの重要項目

審査に無事通過すると、ファクタリング会社から手数料や買取金額などの契約条件が提示されます。
条件に納得できたら、いよいよ契約締結です。
ここで契約書の内容をしっかり確認しないと、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。

契約書で最低限確認すべき5つの重要項目を、元審査担当の視点から解説します。

1. 手数料の内訳は明確か?

ファクタリングでかかる費用は、手数料だけではありません。
会社によっては、登記費用、印紙代、交通費などの諸経費が別途請求される場合があります。
提示された手数料に何が含まれていて、追加でかかる費用はないのか、総額でいくらになるのかを必ず確認しましょう。

2. 債権譲渡登記の有無と、その影響

特に2社間ファクタリングの場合、「債権譲渡登記」が必要になることがあります。
これは、売掛債権があなたからファクタリング会社へ譲渡されたことを法的に示す手続きです。
登記をすると、ファクタリング会社は債権を二重譲渡されるリスクを防げます。
しかし、登記情報は誰でも閲覧できるため、取引先や金融機関にファクタリングの利用を知られる可能性があります。 登記が必須なのか、留保(今回は行わない)にできないか、交渉の余地はないかを確認しましょう。

3. 契約不適合責任(償還請求権)の有無

これは最も重要なチェックポイントです。
「償還請求権」とは、もし売掛先が倒産して売掛金の回収ができなくなった場合に、ファクタリング会社があなたにその金額の支払いを請求できる権利のことです。
償還請求権「あり」の契約は、実質的に売掛金を担保にした融資と同じで、貸金業法に抵触する違法な契約の可能性があります。
契約書に「償還請求権なし」「ノンリコース」と明記されていることを、絶対に確認してください。

4. 契約後の売掛先への通知方法(2社間・3社間)

2社間ファクタリングの契約のはずなのに、「債務者の承諾を得ることなく、債権譲渡を通知できる」といった条項が記載されている場合があります。
これは、あなたがファクタリング会社への支払いを怠った場合などに、ファクタリング会社が直接売掛先に通知し、取り立てることを可能にする条項です。
どのような条件下で通知が行われるのかを正確に理解しておく必要があります。

5. 電子契約のメリットと注意点

最近主流のオンライン完結型ファクタリングでは、電子契約サービスを利用します。
印紙代が不要で、スピーディーに契約できるメリットがあります。
ただし、手軽な反面、契約内容をしっかり読まずに進めてしまいがちです。
画面上であっても、契約書のPDFは必ずダウンロードして保存し、隅々まで目を通す習慣をつけましょう。

【ステップ5】入金|契約完了後、最短で資金を手にする

契約が無事に完了すれば、最終ステップの入金です。
契約締結後、ファクタリング会社が最終確認を行い、問題がなければ指定の口座に買取金額が振り込まれます。

オンライン完結型のサービスであれば、契約完了から数十分〜数時間で入金されることも珍しくありません。

手数料が差し引かれた金額が振り込まれる

例えば、100万円の売掛債権を、手数料10%で契約した場合、
100万円 - (100万円 × 10%) = 90万円
となり、90万円があなたの口座に入金されます。

売掛先からの入金後の対応(2社間ファクタリングの場合)

2社間ファクタリングの場合、後日、売掛先からあなたの口座に売掛金が通常通り入金されます。
その入金されたお金は、絶対に他の支払いに使ってはいけません
それは既にファクタリング会社へ譲渡したお金ですので、速やかにファクタリング会社の指定口座へ送金してください。
これを怠ると、契約違反となり、深刻なトラブルに発展する可能性があります。

まとめ|ファクタリングを成功させるために、最も大切なこと

最後に、この記事の要点を振り返りましょう。

  • ファクタリングの流れは5ステップ:①申し込み → ②書類提出 → ③審査 → ④契約 → ⑤入金。
  • 審査の鍵は「売掛先の信用力」:自社の経営状況より、取引先の安定性が重視される。
  • 書類準備がスピードを左右する:「請求書」「通帳」「身分証明書」は事前に準備しておく。
  • 契約書は5つのポイントを確認:①手数料、②登記、③償還請求権、④通知、⑤契約方法。
  • 入金後の対応も重要:2社間の場合、回収した売掛金は速やかに送金する。

ファクタリング契約の流れは、ポイントさえ押さえれば、決して複雑で難しいものではありません。
しかし、一連の流れの中で最も大切なことは、信頼できるパートナー、つまり優良なファクタリング会社を見つけることに尽きます。

私が審査担当者だった頃、誠実な経営者様が、ほんの少しの知識不足から不利な契約を結びそうになる場面を何度も見てきました。
だからこそ、あなたには正しい知識を武器に、手数料やスピードだけでなく、誠実な対応をしてくれる会社を慎重に選んでほしいのです。

この記事が、あなたの資金繰りの悩みを解決し、事業をさらに成長させるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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